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熊谷賢一氏について

熊谷賢一氏略歴

1954年 愛知学芸大卒。間官芳生、助川敏弥に師事。
現代音楽集団所属。土の会主宰
東海音楽舞踊会議代表委員
日本作曲家協議会会員。日本室内管弦楽団代表


熊谷賢一氏より九大マンクラへのメーッセージ(第73回定演より)

定期演奏会は年に一回というのが大体普通ですが、こちらは年に二回もやり、しかも両方
とも意欲的なプログラムで取り組み常に充実した成果を上げているわけで、なかなか素晴
しいクラブですね。

それが出来得るということはクラブ員の一人一人の意欲に支えられた九大マンドリン ・クラブの“実力"が非常に大きいことの証明でしょう。

福岡のマンドリン界の様子は、今春の九大の定演のために福岡を訪れたのが二回目で他の クラブのは聞いたことがないのでよく分りませんが、聞くところによるとマンドリン音楽 はなかなか盛んであるとのこと。
音楽水準も比較的高いのではと推察されますが、その中にあって九大マンドリンクラ ブの役割とその影響力は大きいのではないでしょうか。

今後クラブ活動の充実や発展も含めて福岡のマンドリン音楽の新しい創造的な発展を考え ると、広く地域の音楽を愛好する仲間達と連帯し共通課題をもって活動したり、音楽性の 向上や特に聴衆を育てること-つまりクラブ員のPTA的聴衆やクラブ間の仲間うちの聴衆ば かりではなく-のために、積極的に関り合い責任をもつことなど発展へのポイントでしょう。

さて今回の定演には春の定演に引きつづいて私の拙作へボカリーズ″T・U・V"全曲が 演奏されますが、ボカリーズとは“無言歌"という意味で歌詩のない歌、又は歌唱的な器 楽曲の意味です。

この作品の譜面はそれほどむずかしくないのですが、音楽性豊かに内容を“歌う"こと や、それなりにドラマチックに演奏することなどそれほど単純ではありません。

春の定演ではラプソディーの第二番が演奏されましたが、ロックバンドとの共演で今まで のマンドリン音楽とは又ちがった苦労があったと思いますが、このボカリーズはマンドリ ン音楽の古典的なオリジナル曲の現代的発展を意図して作られたものだけに、当夜の演奏 は非常に期待を寄せております。

九大マンドリン・クラブの一人一人の音楽に対する愛情と演奏意欲は、今夜の演奏会 に花開くことと思いますが、拙作品のみならず他作品も含めて素晴らしい大成功の演奏会 になることでしょう。

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