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「町の祭典」序曲(Vittorio Filippa)について

 
本曲の作曲者 Vittorio Filippa は十九世紀にイタリアで活躍した作曲家で、ある吹奏楽団の団長であったことが
知られている。父の Giverre Filppaも作曲家で「田園の祭」という吹奏楽の序曲も書いている。本曲は父へ感謝のし
るしとして書き贈られたもので、題も対照的に作られている。また当時のイタリアはマンドリン音楽が荘洋として興り
つつある時代で、原曲は吹奏楽のために書かれているが、この頃のマンドリン音楽の覗いであったロマンティシズムと
町の祭の情景が眼で見る如く、よく描かれているので、中野二郎氏(同志社大マンドリンクラブ講師)が、マンドリン
音楽に再現されたものであった。
この曲は〜 勇壮な祭の行進を思わせる Andante Maestoso で始まり、気品の高い楽しさを印象付ける。そして遠く
から祭の主題が流れてくる。この部分はセロで奏でられる。更にその主題は Grandioso で高らかに歌い上げられ・祭
典は最高潮に達する。
次の AUegro Brillante では、陽気でにぎやかな古き良き時代の祭を楽しむ人々の有様を自由に歌いあげており・
後半の Grandioso で再び最高潮に達した気分は、そのまま Allegro Mossoとなり、更に Stringendo(せきこむ)
しながら、一気に結ばれる。
なおこの曲の初演は昭和41年5月の「京都学生マンドリン連盟第3回合同演奏会」に於てであり、その後多くのマン
ドリンオーケストラで演奏されている。



(第62回定演パンフより)

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