九州大学定演のページへ戻る

序曲「レナータ」について

 
ouverture Renata

作曲者H・ラヴィトラーノは、イタリアのナポリ湾頭の美しいィスキ
ァ島に生まれ、ナポリの音楽学校に学び、アルジェリアの地中海に沿っ
たボーナ市に長く住んでいた。彼の作風には情熱的な南国の息吹く躍動
を感じさせるものがある。この曲は、同じ彼の作曲による「口…ラ」と
共に、プレクトラム音楽の最高水準を行くものとされている。
曲は3つに分かれ、まず4分の4拍子 Allegro Vivo (i=144)の
快速で始まり、高音部のメロディーの高調に続いて低音部和音が強く響
き、これが幾度か繰り返された後、ギター独特の音色で甘い2小節を経
て、更にマンドリンのカデンツフをもって、,次の歌の様な極めて美しい
4分の3拍子 Romance Andantino(i=60)に入る。この部分は前
後の速い部分と美しい対照をもって、プレクトラム楽器の持つ特徴を如
何なく発揮している。この4分の3拍子が終わると突如として低音部の
鋭い音を迎え、これをマンドリンが非常に速い動きで受け継いで、4分
の4拍子 Allegro(126)に移り、マンドリンがダブルノートを印
象的に響かせ、種々のバリェ-ションを生みながら最後の Piu Allegro
に入り高音低音各部が織りなす豪快なフィナーレを飾る。

なお、この曲は「口-ラ」、「雪」と共に彼の三大作とされ、今日のプレ
クトラムのオリジナル曲ではポピュラ-となりつつある。


(第63回定演パンフより)

戻る